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狩り暮らしのアリエッティ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2010-12-9-Thursday村長との邂逅

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温泉にいたアイルーから村長に会うように言われたので、村長に会いに行くことにした。

助けてくれたのならばお礼も言いたい。

「村長」というと、やはり歳をめしたおじいさんなのだろうか。

そう思い、小柄なおじいさんに声をかけた。

「すみません、あなたが村長さん?」

「いや、わしゃ武器屋じゃよお嬢ちゃん。村長ならほれ、あそこじゃ」

そのおじいさんが示した先にいたのは、雅やかな衣装に身を包んだ女性だった。

 

 

 

 

村長の依頼 村長の依頼 - 狩り暮らしのアリエッティ を含むブックマーク はてなブックマーク - 村長の依頼 - 狩り暮らしのアリエッティ 村長の依頼 - 狩り暮らしのアリエッティ のブックマークコメント

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ベンチに腰かけているその女の人の前に来たとき、彼女はわたしよりも先に口を開いた。

「おかげんはいかがですか?」

優雅なたたずまい。

「おかげさまで元気です。その、助けていただいたんですよね。ありがとうございます」

「困ったときはお互い様です」

母さんとはまた違う、落ち着いた大人の女性だった。さすがは村長。

彼女の言葉に感謝し、わたしは微笑み返す。

「あなた、お名前は?」

「アリエッティと申します」

「そう。アリエッティ。実はこの村には少し困ったことがありまして……」

「困ったこと? わたしでお役に立てるならば」

恩は借りたら返すもの。そう教わってきたわたしは、その言葉が自然と口をついて出てきた。

「そう言っていただけると助かります。実は、村の周囲にモンスターが出没しておりまして……」

「モンスター!?」

これまでわたしもカラスや猫達と戦ってきたけれど、モンスターだなんて……。

「そんなに身構えないでください。いざとなれば、必ずお助け致します。命の危険はありません」

何の確証もなかったけれど、村長の言葉は信じられるような気がした。

「命の危険がないなら……」

安請け合いかな、と自分でも思ったけれど、見ず知らずのわたしを一人前と認めて頼りにしてくれる村長の頼みを、無下に断ることはできなかった。

「ありがとうございます。最初から難しいことをお願いするつもりはありません。まずは簡単なクエストをこなしていただいて、あなたを守る防具や武器を作っていただきます」

武器。

わたしもマチ針の剣では正直心元ないし、この服だって戦いに向いたものじゃない。

「わかりました。つまり、弱いモンスターを倒した材料を使って、強いモンスターを倒す道具を作っていく、というわけですね?」

「理解が早くて助かるわ」

村長は切れ長の目の端を少し下げて微笑んだ。

「さしあたって易しめのクエストをいくつか用意させていただきました」

そう言って村長が差し出した巻物には、わたしのやるべき仕事が書かれていた。

書かれていたのは、きのこを採ってくるだとか、危険のなさそうな簡単なおつかいだった。

最初からいきなり何かと戦わされるのかとビクビクしていたけれど、そうはならないらしい。

ともあれ、働かざる者食うべからず。

「では、この一番のクエストから」

わたしはクエストを受けることにした。

「そう。このクエストは、特産きのこをとってくるだけのもの。

 だけど渓流にはこの先何度も訪れることになるでしょう。

 きのこ採取がてら、狩場の地形やどこに何が生えているか、よく見てくるといいと思います。

 きっとそれがあなたの今後の助けになるのですから」

「わかりました。その、よろしくお願いします」

「正直女の子にお願いすることじゃないかもしれませんけれど、私はあなたならできるような予感を感じたの。

 これから沢山のことをお願いしてしまうけれど、きっとやり遂げられると信じています。

 頼りにしていますよ、アリエッティ」

差し出した手と手で握手を交わす。

温泉の効果だろうか、村長さんの手はとてもすべすべして温かかった。

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